こんにちは、ベトナムで海外生活を始めて2年が経ちました。
今回の記事は英語がテーマになっています。
この記事の執筆背景は、今の私の環境では、社内では頻繁に英語を使うものの、英語力ってあんまり伸びてなくね?と感じるようになっていることに起因しています。
案外にたようなことを感じている人っているのではないかなと思ったので所管になりますが、つらつら書き留めたいと思います。
- この記事は英語中級者(TOEIC700点前後以上)向け
- 初級者は海外環境だけでも十分伸びる
- しかし中級者は「英語を使う=英語力向上」とはならない
第1章 海外勤務なら英語力は伸びると思っていた
1-1. 毎日英語を使う環境なら自然と上達すると思っていた
「海外に住めば英語が話せるようになる。」
海外勤務を考えていた頃、私もそう信じていました。実際、多くの人が一度はそう考えるのではないでしょうか。日本にいるよりも圧倒的に英語に触れる機会が増え、仕事でも生活でも英語を使う。そんな環境に身を置けば、勉強しなくても自然と英語力は伸びていくものだと思っていました。
実際、私が現在働いている会社では社内の共通言語は英語です。上司とのやり取り、社内チャット、メール、会議など、日常業務のほとんどで英語を使います。取引先とのやり取りでも英語を使う場面は少なくありません。
日本で働いていた頃と比べれば、英語を使う時間は何十倍にも増えました。
そのため、「これだけ毎日英語を使っていれば、数年後にはかなり英語力が伸びているだろう」と疑うことはありませんでした。
しかし、実際には少し違う現実が待っていました。
1-2. TOEICを受けて現実を知る
海外勤務を始めて約2年が経った頃、久しぶりにTOEICを受験しました。
正直、かなり自信がありました。学生時代と違って、今は毎日英語を使っています。勉強こそしていませんでしたが、「仕事で毎日使っている分、自然と英語力も上がっているだろう」と思っていたからです。
ところが、結果は予想外でした。
点数は学生時代に受験した頃とほとんど変わっていなかったのです。
もちろん、TOEICには問題形式への慣れやテクニックもあります。久しぶりの受験だったため、その部分で点数を落とした可能性はあります。一方で、日常的に英語を使っていた経験がそのマイナスを補っていたとも考えられます。
つまり、「TOEICの解き方は忘れていたけれど、実務経験でカバーした結果、トータルでは以前と同じ点数になった」という状態です。
だからこそ私は、「英語を毎日使っているのに、英語力そのものは思ったほど伸びていないのではないか」と考えるようになりました。
ここで一つの疑問が生まれます。
第2章 なぜ英語力は頭打ちになるのか
2-1. 同じ仕事では同じ英語しか使わない
私は人材紹介会社で営業として働いています。
毎日英語を使っているとはいえ、その内容を振り返ると、実は驚くほどパターン化されていました。
例えば、
- 候補者の紹介
- 面接日程の調整
- オファー内容の説明
- 求人内容の確認
- 給与や福利厚生の説明
- 社内での案件共有
これらはもちろん英語で行います。しかし、扱うテーマが同じである以上、使う単語や表現も自然と固定されていきます。
最初は知らなかった表現を覚え、スムーズに話せるようになります。しかし、それらを一通り身につけると、新しい英語に出会う機会は急激に減っていきます。
つまり、毎日英語を使っているようで、実際には**「同じ英語を何度も繰り返しているだけ」**になっていたのです。
もちろん仕事は以前より速くこなせるようになりました。しかし、それは英語力そのものが伸びたというより、「仕事で必要な英語」に慣れただけだったのだと今では感じています。
英語は使えば伸びると言われますが、それは新しい表現や新しい状況に出会い続けている場合の話です。
環境が固定されれば、英語も固定される。
これが、私が海外勤務を通して最初に気づいたことでした。
2-2. 非ネイティブ同士だから「伝わる英語」に最適化される
私が働くベトナムでは、英語を使う相手の多くが非ネイティブです。
日本人、ベトナム人、シンガポール人、マレーシア人など、それぞれ母語が異なるため、お互いに「正しい英語」よりも「伝わる英語」を意識するようになります。
例えば、難しい単語や複雑な言い回しを使うよりも、誰でも理解しやすいシンプルな単語を選びます。文法も多少崩れていても、意味が伝わればそのまま会話は進みます。
これは仕事を進める上では非常に合理的です。実際、私自身も相手が理解しやすいように、できるだけ簡単な表現を選ぶことが増えました。
しかし、その環境に長くいると、新しい語彙や高度な表現を使う機会は自然と減っていきます。
つまり、英語力が向上しているというよりも、「今の環境で最も効率よく仕事ができる英語」に最適化されていくのです。
もちろん、これは悪いことではありません。仕事では「伝えること」が何より重要です。
ただ、「仕事で困らない英語」と「英語力そのものが伸びること」は、必ずしも同じではないということを実感しました。
2-3. AIの普及で自分で考える時間が減った
ここ数年で、英語学習を取り巻く環境は大きく変わりました。
ChatGPTやDeepLなどの生成AIや翻訳ツールを使えば、自然な英文を数秒で作ることができます。私自身も仕事で毎日のように活用しています。
以前であれば、「この表現で合っているかな」「もっと自然な言い方はないだろうか」と辞書を調べたり、英文を組み立てたりする時間がありました。
その試行錯誤こそが学習でした。
しかし今は、分からなければAIに聞けばすぐ答えが返ってきます。仕事のスピードは格段に上がりましたが、その一方で、自分で考える時間は確実に減りました。
もちろん、AIを使うこと自体が悪いわけではありません。むしろ、仕事では積極的に使うべきツールです。
ただ、「AIが作った英文をそのまま送るだけ」では、自分の知識として定着しません。
便利になったからこそ、「AIを使って終わり」ではなく、「なぜその表現になるのか」を意識して学ぶ姿勢が以前より重要になったと感じています。
2-4. アウトプットだけでは新しい英語は増えない
ここまで振り返ってみると、私の英語学習には一つの共通点がありました。
それは、圧倒的にアウトプットへ偏っていたことです。
仕事では毎日英語を話し、メールを書き、会議にも参加します。一見すると、英語漬けの環境です。
しかし、そこで使っている英語は、これまで身につけた知識を繰り返し使っているだけでした。
新しい単語や表現、言い回しに触れる時間はほとんどありません。
スポーツでも、同じメニューだけを毎日繰り返していると、あるところで成長が止まります。営業でも、いつも同じ顧客だけを担当していては、新しい提案力は身につきません。
英語も同じでした。
アウトプットは、「今持っている英語」を使う行為です。一方、インプットは、「まだ持っていない英語」を増やす行為です。
この二つが循環して初めて、英語力は伸び続けます。
私は海外勤務を通じて、「英語を使うこと」と「英語を学ぶこと」は似ているようで違うものだと気づきました。
だからこそ、中級者がさらに英語力を伸ばしたいのであれば、仕事で英語を使うだけでは不十分です。
仕事以外の場で新しい英語に触れ続けること。新しい表現や知識を意識的にインプットすること。
それが、頭打ちになった英語力をもう一段階引き上げるために必要なことだと考えています。
第3章 頭打ちを突破している人は何が違うのか
3-1. 会社の外にも英語環境を作っている
海外勤務をしていても、英語を使う範囲は意外と限定されることが多いものです。
職場では毎日同じメンバーと仕事をし、扱う案件も似ています。すると自然と会話の内容や使う表現も固定され、新しい英語に触れる機会は少なくなっていきます。
しかし、私の周りで英語力が伸び続けている人を見ると、一つの共通点がありました。
それは、会社の外にも意図的に英語を使う環境を作っていることです。
例えば、スポーツサークルや交流会に参加したり、オンライン英会話を継続したり、現地の友人と食事に出かけたりと、仕事とは異なるコミュニティに積極的に飛び込んでいます。
ここで重要なのは、「英語を話す時間を増やすこと」ではありません。
新しい人と出会い、新しいテーマについて話すことです。
仕事では採用や営業の話しかしない人でも、趣味のコミュニティでは旅行、スポーツ、政治、恋愛、文化など、これまで使ったことのない単語や表現が次々と出てきます。
つまり、新しい環境に身を置くことは、新しいインプットを得ることでもあるのです。
私自身も、仕事だけでは自分の英語がほとんど成長していないことに気付いてからは、「どれだけ英語を話すか」ではなく、「どれだけ新しい英語に出会えるか」を意識するようになりました。
海外に住んでいること自体が英語力を伸ばしてくれるわけではありません。
環境を自分で広げ続ける人ほど、英語力も伸び続けていくのだと思います。
3-2. 自分の弱点を分析し、改善を続けている
もう一つ共通していたのは、自分の課題を客観的に分析していることです。
英語が伸び悩んでいると、多くの人は、
「もっと単語を覚えないと。」
「もっと英語に触れないと。」
と漠然と考えてしまいます。
しかし、それでは学習範囲が広すぎて、何から改善すればいいのか分からなくなります。
一方で、英語力が伸びている人は、自分の弱点を具体的に言語化しています。
例えば、
- リスニングはできるが、自分から話そうとすると単語が出てこない。
- 会議は理解できるが、電話になると聞き取れない。
- 日常会話は問題ないが、仕事で使う専門用語が足りない。
- TOEICは高得点でも、自分の意見を英語で説明するのが苦手。
このように、「英語ができない」ではなく、「何ができて、何ができないのか」を明確にしています。
だからこそ、足りない部分だけを重点的に学習でき、効率よく成長できるのです。
英語力は一つの能力ではありません。
語彙力、文法、発音、リスニング、スピーキング、ライティングなど、複数の要素が組み合わさって成り立っています。
だからこそ、「英語が苦手」と一括りにするのではなく、自分の課題を細かく分解し、一つずつ改善していくことが重要です。
私自身もTOEICを受けたことで、自分は「英語を使えているつもりになっていた」だけで、新しい知識を増やすインプットが圧倒的に不足していたことに気付くことができました。
頭打ちを突破するために必要なのは、勉強時間を闇雲に増やすことではありません。
今の自分に何が足りないのかを知り、その課題に対して適切なインプットを続けること。
これが、中級者以降の英語学習では最も重要なのだと感じています。
第4章 中級者が英語力を伸ばすために必要なこと
4-1. 意識的にインプットを増やす
ここまで述べてきたように、中級者が英語力を伸ばすために最も重要なのは、新しいインプットを増やすことです。
仕事で英語を使っているだけでは、どうしても知っている単語や表現を繰り返し使うことになります。その結果、「英語を使っている」のに「新しい英語を学んでいない」という状態に陥ってしまいます。
だからこそ、仕事以外で意識的に新しい英語へ触れる時間を作る必要があります。
例えば、
- 英字ニュースを読む
- 洋書やビジネス書を読む
- YouTubeやPodcastで新しいテーマを学ぶ
- 海外の記事や論文を読む
重要なのは、自分が普段使わない分野の英語に触れることです。
仕事では採用の話しかしない人であれば、経済やスポーツ、歴史やテクノロジーの記事を読んでみる。それだけでも、新しい単語や言い回しに数多く出会えます。
インプットが増えれば、次にアウトプットするときに使える表現も自然と増えていきます。
英語力は、「アウトプットの量」だけではなく、「インプットの質」で決まる部分が大きいと感じています。
4-2. TOEICは「試験」ではなくインプット教材
私は今回TOEICを受験したことで、自分の英語力を客観的に見直すことができました。
TOEICというと、「就職・転職のための資格試験」というイメージを持つ人も多いと思います。
もちろん、その側面もあります。
しかし、海外勤務を経験した今だからこそ、私はTOEICを優れたインプット教材だと考えています。
TOEICでは、
- ビジネスメール
- 会議
- 出張
- 契約
- 人事
- マーケティング
- 工場や物流
など、実際のビジネスシーンを想定した英語が幅広く扱われています。
普段の仕事では人材紹介に関する英語しか使わない私でも、TOEICを勉強すると、「こんな場面ではこういう表現を使うのか」と新しい発見があります。
さらに、試験という形で自分の弱点も数値化できます。
リスニングが弱いのか、文法なのか、語彙なのか。それが分かれば、学習の方向性も明確になります。
仕事で英語を使っている人ほど、TOEICは「点数を取るため」ではなく、「仕事では学べない英語を体系的に吸収する教材」として活用する価値があると思います。
4-3. 新しい環境に飛び込む
最後にもう一つ大切なのが、自分の英語が通用する環境を変えてみることです。
会社の中では問題なく会話できても、それは「会社という環境」に適応した英語力かもしれません。
相手が変われば、話すスピードも、話題も、使われる表現も変わります。
だからこそ、定期的に新しい環境へ飛び込むことをおすすめします。
例えば、
- 英会話イベントへ参加する
- スポーツサークルに入る
- 現地の友人と食事へ行く
- オンライン英会話で様々な国の講師と話す
- 副業やボランティアで新しい仕事に挑戦する
こうした環境では、自分が知らない単語や表現に数多く出会います。
同時に、「自分はこの話題になると全然話せない」「この表現は知らなかった」という新たな課題も見えてきます。
それこそが成長のきっかけです。
仕事だけを繰り返していると、自分の英語はその仕事に最適化されていきます。
一方、新しい環境へ飛び込めば、そのたびに新しいインプットが生まれ、自分の英語の幅も広がっていきます。
中級者が頭打ちを突破するためには、「もっと英語を使うこと」ではなく、「今まで使ったことのない英語に出会うこと」が何より大切なのだと思います。
第5章 まとめ
5-1. 「英語を使う環境」と「英語が伸びる環境」は違う
私は海外勤務を始める前、「海外に住んで毎日英語を使えば、自然と英語力は伸びる」と考えていました。
実際、英語を使う機会は日本にいた頃とは比べものにならないほど増えました。しかし、TOEICを受験してみると、学生時代と点数はほとんど変わりませんでした。
その経験から気づいたのは、「英語を使う環境」と「英語が伸びる環境」は必ずしも同じではないということです。
仕事では、同じ相手と、同じテーマについて、同じ表現を繰り返します。非ネイティブ同士のコミュニケーションでは「伝わること」が優先され、生成AIの普及によって自分で考える機会も減りました。
こうした環境は仕事を効率的に進めるには最適ですが、新しい語彙や表現を身につけるという意味では、成長が止まりやすい環境でもあります。
だからこそ、中級者がさらに英語力を伸ばしたいのであれば、「英語を使っているから大丈夫」と安心するのではなく、自ら新しいインプットを取りに行く姿勢が欠かせません。
海外勤務は、英語学習のゴールではありません。
むしろ、本当の意味で英語を伸ばすためのスタートラインなのだと思います。
5-2. 初級者と中級者では伸び方が違う
もちろん、この記事はすべての英語学習者に当てはまるわけではありません。
英語初級者であれば、海外に住み、英語を使う環境へ飛び込むだけでも大きく成長できます。英語に触れる時間が圧倒的に増え、「聞く」「話す」ことへの抵抗感もなくなっていくでしょう。
一方で、ある程度英語が使えるようになった中級者は、そこから先の伸び方が変わります。
仕事で英語を使うだけでは、使う表現は少しずつ固定され、知らない英語に出会う機会も減っていきます。
だからこそ、中級者に必要なのは、
- 新しい知識を得るためのインプット
- 自分の弱点を客観的に分析すること
- 仕事以外の新しいコミュニティへ飛び込むこと
- TOEICなどを活用して体系的に学び直すこと
こうした「意識的な学習」です。
私自身、海外勤務を経験したからこそ、「英語を使っている」と「英語力が伸びている」は違うことを実感しました。
もし今、「毎日英語を使っているのに、最近成長を感じない」と思っている人がいるなら、それは決してあなただけではありません。
その原因は努力不足ではなく、今の環境があなたの英語力に最適化されてしまったからかもしれません。
環境に慣れることは悪いことではありません。しかし、成長し続けるためには、定期的にその環境を更新し、自分がまだ知らない英語に触れ続けることが必要です。
この記事が、同じように海外で働きながら英語力の伸び悩みを感じている方にとって、学習方法を見直すきっかけになれば幸いです。
